構造を保ったまま研磨─精密研磨機 IS-POLISHERの実例紹介─

こんにちは。
精密試料作製システム「IS-POLISHER」を製造・販売している池上精機です。
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今回は、複数の部品で構成されたスマートフォンのカメラレンズの研磨に挑戦しました。

通常の課題:ばらけやすい複合構造

カメラレンズのように異なる部品が接着・積層されている試料は、研磨中の負荷によって構造がばらばらになってしまうリスクがあります。そのため、従来は完全包埋処理などの煩雑な前処理が必要とされてきました。

IS-POLISHERならではの対応力

IS-POLISHERは、極めて低い荷重での研磨が可能なため、最小限の処置(簡易包埋)のみで、構造を保ったまま研磨できます。

<簡易包埋とは>
試料の要所(赤枠部分)へUV硬化樹脂を研磨前および工程中に適宜滴下・硬化させる方法です。これにより、試料へ負荷のかからない研磨を実現できます。

簡易包埋

今回のセッティングと結果

今回は、断面プレートホルダを使用し、試料を直接挟んで研磨しました。
IS-POLISHERでは、形状に応じた専用ホルダを多数ご用意しており、
包埋なしでも構造に応じて保持・研磨が可能です。

今回の試料では、試料に合わせた最低限の荷重で研磨することで、
各部品が欠損することなく、層構造が明瞭な観察面を得ることができました。
さらに、硬さの異なる材料が混在していても、傷のない平坦な仕上がりを実現しています。

まとめ

IS-POLISHERなら、複数部品で構成された複雑な試料でも「低荷重研磨」と「専用ホルダによる固定+簡易包埋」を行うことによって、ばらけ・欠損・研磨不良のリスクを抑え、観察に適した断面を確実に得ることが可能です。

「この構造は無理かも…」とお悩みの試料でも、ぜひ一度ご相談ください。
IS-POLISHERが、複合構造体の研磨の新たな可能性を切り拓きます。

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